うえのの どうぶつえんは、さくらの はなざかりです。
かぜに ぱっと ちる はな。おひさまに ひかりかがやいて さく はな。
おはなみの ひとたちが どっと おしよせて、どうぶつえんは、すなほこりを まきあげて こみあって いました。
現在から過去への回想により、物語は始まります。戦時中、空襲で動物たちが逃げることを恐れ、ライオンもトラも、ヒョウもクマもダイジャも、どくを飲ませて殺しました。
三頭いた像も殺されることになりましたが、賢い像はどくを飲みません。注射も、皮膚が硬くて針が折れてしまうので、食べ物を与えずに殺すことになったのです。
戦争に巻き込まれたかわいそうな像たちと、飼育員さん。
もうこんな悲惨な戦争をしてはいけないということを、子供たちに伝えています。
7月に入りましたね。
長崎出身の私は、この時期になると平和について考えます。小学生の頃から、7月に入ると平和学習が始まっていたからです。
この絵本は、まだ結婚する前に買いました。いつか子供ができたら、平和教育は自分でするつもりでした。
福岡にきて感じたのが、福岡は平和教育にあまり力を入れておらず、終戦の日や、長崎広島の原爆の日を知らない人が多い、ということ。
福岡の平和学習で中心となるはずの、福岡大空襲の日すら知らない。
長崎でがっつり平和教育を受けてきた私には衝撃でした。
この絵本は、一度だけ娘に読んであげたことがあります。まだ2歳で、理解できない年齢でした。
然るべき年齢になった時に読むつもりで、本棚の隅にひっそりと置いていたのですが、娘が見つけて持ってきたのです。
娘はやはり、まだ理解できず、「ぞうさん、なんでしんだと?」と聞いていました。
この絵本を読むには、私もエネルギーを使います。
でも、絶対に伝えないといけないことなので時期を見てもう一度読み聞かせようと思います。